基礎の種類

この記事は約3分で読めます。

建物を建築する上で基礎は建物の荷重を支えるという重要な役割を担っており、基礎は大きく杭基礎直接基礎に分類されるが、地盤の状態や建物の規模に適した基礎が採用される。

杭基礎

軟弱な地盤(地盤の地耐力がおよそ20kN/㎡以下の場合)では杭基礎を採用する。杭を地面に打ちこむことで地盤を固めて安定を高めるが、杭基礎には支持杭摩擦杭の2種類ある。

<地耐力20kN/㎡以下>
kN(キロニュートン)という単位は1N=0.102kgとなるため、20kN/㎡以下は1平方メートルあたり2トン強以下の軟弱な地盤となる。

支持杭

支持杭は硬い地盤が柔らかかったり弱い時に使用され、硬い地盤まで杭を打設して建物の荷重を支え、柱状改良杭や鋼管杭などが多く使用される。

支持杭のイメージ図

摩擦杭

摩擦杭とはその名のとおり、凹凸のある杭と土の間の摩擦力により基礎を支えるもので、硬い地盤まで杭を打設することが困難な場合に用いられる。

摩擦杭のイメージ図

直接基礎

地盤が硬くて安定している地盤には直接基礎が採用され、直接基礎はベタ基礎布基礎独立基礎に分かれる。

ベタ基礎

ベタ基礎は建物の底面すべてに基礎スラブ(スラブとは石・コンクリートなどの厚板。特にコンクリートの床板)を構築し、建物の外周や柱の下だけでなく底部全体を鉄筋コンクリートで一体化して面で支える。一般的に地耐力が30kN/㎡以上の地盤に採用される。

<メリット>
 ・耐震性に優れている
 ・湿気が建物まで上がらない
 ・シロアリの被害を防ぎやすい
<デメリット>
 ・コストが高くなる
ベタ基礎のイメージ図

布基礎

外観上はベタ基礎と同じように見えるが、建物の荷重を支えているのは立ち上がり部分のみで、底面のコンクリートはベタ基礎に比べて薄く鉄筋も入っおらず、地耐力が20kN/㎡以上の地盤に採用される。

鉄筋コンクリートが連続しているため、別名連続フーチング基礎と言う。

<メリット>
 ・コストを抑えられる
<デメリット>
 ・耐震性はベタ基礎より劣る
 ・湿気やシロアリの被害を受けやすい
布基礎のイメージ図

独立基礎

独立基礎とはその名のとおり基礎が独立している形で、建物のそれぞれの柱の位置にその柱だけを支えるように単独で設けられた基礎。

基礎の部分がコンクリートで固めた直方体、四角錐など底が広がった形状(フーチング)をしており、独立フーチング基礎とも呼ばれている。

独立基礎は強固な地盤で荷重の大きくない柱や、傾斜地に一戸建てを建てる場合やデッキや玄関ポーチなどの独立柱を支える基礎として用いられる。

独立基礎のイメージ図
<フーチングとは>
地盤の支持力を増すために、布基礎の底面を逆T字形にするように幅広くした部材で、底の部分に当たる一の字型の部分をフーチングと呼ぶ。
タイトルとURLをコピーしました