地震により発生した地震波には、地球の内部を伝わる実体波と地球の表面だけを伝わる表面波があり、実態波にはP波とS波の二種類がある。
P波とはPrimary Wave(=最初の波)、S波とはSecondary Wave(=第二の波)の頭文字をそれぞれとったもので、以下の表のような特徴がある。

地震の際、まず初期微動として速度が速く揺れが小さいP波を、その後、大きな揺れをもたらす主要動を速度が遅く揺れが大きいS波で感じている。
<縦波(P波)>
波の伝わる方向と振動の方向が一同じ波で、固体だけでなく液体や気体でも伝搬する。
<横波(S波)>
波の伝わる方向に対して振動の方向が直角の波で固体にしか伝わらないため、液状化して液体の状態の地盤には伝わらない。

波の速度は媒質が硬いほど早く、柔らかいほど遅くなる。硬いところから柔らかいところに波が進行すると、速度が遅くなり振幅が増幅される。
参照:表層地盤増幅率
<参考:P波S波以外の縦波・横波> ・縦波 音波(空気の密度の振動が伝播する疎密波) ・横波 電磁波(光含む)、ロープを伝わる波(ロープの両端を持って水平方向に振った時にできる波) (注)水面にできる波は水面波といい縦波でも横波でもなく、表面張力波と重力波に分類される。
緊急地震速報では、このP波とS波の伝わる時間差を利用して地震の震源や規模を解析し、一定の震度以上の地震が想定される場合に、大きな揺れが到達する数秒から数十秒前に警報を発している。